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長崎県・佐世保市はIR候補地のハウステンボス町に隣接している江上地区自治協議会からのIR是正要望書を受け取り、4月17日までに文書にて答弁しました。
県と市は文書内で、地域のまちづくりを行う自治協議会に対し、周辺地区と意見を重ねて策を講じるとの考えを示しました。
協議会の「説明不十分」という声に対して県・市の対応は
今回の県・市による答弁は、3月に江上地区協議会会長が「事業説明が不十分」とする申し入れに対して発表されたものです。
協議会の申し入れは以下の内容で提出されました。
- IRの影響で地域福祉が停滞、または後退することに対して不安視
- 県と市は各所で説明会を開いてきたが、IR候補地に隣接する江上地区に対しても同じ説明では不十分
- 現時点でIR事業推進者と住民との間に「合意形成」が存在するはずもなく、現状でのIR事業推進に対する理解・協力はできない
提出の際のインタビューでは、協議会会長が「市の説明は一辺倒。治安や渋滞など不安要素は多くある。地元に寄り添った説明をしてほしい」とコメントを発表しました。
これらの地元の声を受け、長崎県は「事業の節目で担当者を派遣し、佐世保市とともに地域との意見交換を重ね、懸念事項の最小化に向け万全の対策を講じる」と回答。
そして佐世保市も、「周辺地区と積極的な協議の場を持ち、まちづくりの将来像やアイデアを拝聴し、合意形成を図りながら推進する」との返答をしました。
この回答を受けた江上地区協議会は、今後も地元住民の不安を払拭できるよう、県・市と協議を進めていく考えを示しました。
「地元との合意」はIR区域整備計画の絶対条件
国土交通省観光庁が定めた基本方針では、3箇所までと決められたIR区域整備計画を選定する際の評価基準に「地域における合意」が必須だと示しています。
IR事業を長期安定的に継続し、そして良好な関係を築くために必要な評価対象の項目です。
IR誘致における様々な取り組みを行ってきた長崎県・佐世保市ですが、地域における合意に関しては対策が未完です。
今後もIR区域整備対策はスピード感をもって従事しなければなりません。
なかでも最重要ともいえる「地域との合意」という課題をいち早く解決するために、県・市は尽力する必要があるといえます。