2022年10月7日、長崎県佐世保市はIR誘致が実現した場合の人口増加予測について、市議会特別委員会で報告を行いました。
報告内容によると、長崎IRでの雇用増加に伴い佐世保市内では約1万人の人口増加が見込まれています。
長崎IR開業で佐世保市は人口・世帯数ともに増加の予測
この調査は大手コンサルタント会社より、IR誘致を見据えた住宅需給量のほか、学校や下水道、道路といった公共インフラへの影響などを検証したものです。
調査結果では、IR誘致に伴う直接雇用者数は9,980人、間接雇用者数は6,973人と推定。
雇用の増加によって佐世保市内の人口は1万1,528人増えると予測しており、雇用者の家族なども居住することを踏まえると佐世保市内の世帯数も9,149世帯増加するとしています。
また、長崎IRの採用活動を支援する「株式会社ヒト・コミュニケーションズ」は、IR事業全体で600~800の職種が必要であることを指摘しており、総合採用センターやトレーニングセンターを設置するなど、幅広い人材の採用を進めていく方針です。
県はIR・新幹線開業に伴う大規模開発で人口減少に歯止め
長崎県では人口減少が課題となっており、九州経済調査協会の発表によると2050年までに九州9県でもっとも減少率が高い36.3%減となるとみられています。
この状況を打破するべく、県は西九州新幹線の開業に伴い「100年に1度」ともいわれる大規模な再開発を計画。
ハウステンボス行きの車両が停車するJR大村駅では商業施設や分譲マンションの建設が進められているほか、始発駅となる長崎駅でも大手ホテルが入る複合施設の建設も予定されています。
また、佐世保市に本社を構える「株式会社ジャパネットたかた」は、長崎駅近くに2万人を収容できるサッカースタジアムや商業施設を建設しており、同敷地内に立つオフィスビルには長崎大学の大学院も誘致。
優秀な学生を求める企業を県内に呼び込み、就職による若年層の流出を止めることをねらいとしています。
IR建設予定地であるハウステンボスの経営権を取得した「PAG(ピーエージー)」も、今後はより雇用を拡大する考えを示すなど、長崎県では官民が一体となって働く場を増やし人口減少の解決に取り組んでいます。
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