政府からの認定を受けた大阪IRについて、運営事業に携わるアメリカのMGMリゾーツ・インターナショナルは5月2日、「開業時期は2030年1~6月ごろになる」との見通しを示しました。
政府が4月に認定した大阪のIR整備計画では、開業目標時期を「2029年秋~冬ごろ」としていました。
現時点で、MGM日本法人や大阪府・市は、開業時期の正式な変更を発表していません。
MGM日本法人・オリックスは「正式な計画変更ではない」旨を発言
大阪IRは、MGM日本法人やオリックスらで構成する「大阪IR株式会社」が事業者となり、運営されます。
大阪府・市の計画では2029年中の開業目標としていましたが、政府からの認定時期が想定より半年ほど遅れたことで、一部関係者からは開業時期が後ろ倒しになる可能性が示唆されていました。
米MGMリゾーツ・インターナショナルは5月2日午前(日本時間)、2023年1~3月期の決算会見を開き、同社CEOのビル・ホーンバックル氏が大阪IRの開業時期に言及。
ホーンバックル氏は、「おそらく2030年の1~3月期か、4~6月期のオープンとなる」との想定を述べていますが、理由についての説明はありませんでした。
また、施設工事の着手時期など、具体的な計画を定める実施協定案については、2023年9月ごろまでに作成する方針である旨を発言しています。
ホーンバックル氏の開業時期に関する発言を受け、MGM日本法人の担当者は「タイムラインは変わっていない」と説明。
また、オリックスの担当者は「現計画からの変更について決まったものはない」とし、正式な開業目標時期の変更ではないと話しています。
大阪府・吉村知事「国の審査が遅れたから仕方ない」
大阪府の吉村洋文知事は5月10日の記者会見で、「国の審査が遅れたから、開業時期がずれ込むのは仕方ない」と発言しました。
さらに、「日本の政治の判断するスピードが世界と合っていないのではないかと危惧している」とも述べています。
ただし現時点で計画を正式に変更したわけではなく、具体的な開業時期については、事業者と協議している最中とのことです。
IRの実現に向けては、今後大阪IR株式会社と府・市の間で実施協定を結ぶほか、夢洲の土地契約などを経て、施設工事を開始する予定。
また、正式開業前にはカジノの運営を認可するための「カジノ免許」取得も必要となります。
IR建設予定地である夢洲の土壌問題などの課題も残っており、今後どのように課題を解決し、スケジュールを進めていくのか、府・市の対応に注目が集まります。