2020年12月23日、「カジノの是非を決める横浜市民の会」は市に対し、IR誘致の賛否を問う住民投票条例の制定を直接請求しました。
これを受け2021年1月6日より、「住民投票を行うか否か」を決める市議会臨時会が開催されています。
横浜市は市議会臨時会への提出議案として「横浜市におけるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致についての住民投票に関する条例の制定案」を公表。
林文子・横浜市長は条例制定案の中で、住民投票を行うことに対する反対意見を付記しました。
これまで林市長は、住民投票条例案について意見を付す考えはないことや、住民投票実施の場合は投票結果を尊重する姿勢を見せていました。
しかし今回スタンスを変更し反対意見を公表しており、IR誘致を推進する姿勢をますます強めています。
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林文子・横浜市長「住民投票の意義を見出しがたい」
今回議論になっている住民投票に関する条例制定について、林市長は以下の通り反対意見を公表しています。
- 住民投票に関しては長や議会の権限との関係等、様々な検討すべき論点があり制度化に至っておらず、明確な位置づけが難しい。
- 今回求められている住民投票は個別の法律ではなく条例に基づくものであり、法的拘束力がない。投票結果は今後の判断材料にはなるが、実施コスト等についても十分考える必要がある。
- 候補地の整備にあたって様々な手続きを進めており、民意を反映させる制度もある中で、加えて住民投票を実施することには意義を見出しがたい。
- IRについては議会において議論が積み重ねられており、住民投票はこれまでの議論の棚上げを意味する。
- IRの全体像は、事業者と共に作成する区域整備計画において具体化。市民に丁寧な説明を行うと同時に、議会での議論をベースとし、手続きを着実に進めることが重要である。
市議会臨時会では、住民投票に否定的な姿勢を見せている林市長ならびに自民・公明両党と、IR反対派の民意を尊重する立憲・共産党の対立が鮮明に浮かんでいます。
住民投票条例案の制定に関しては、1月8日の本会議にて採決される予定。
住民投票に反対する意見が過半数を上回った場合、否決される可能性が高いと見られています。