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IR誘致を狙う横浜市、大阪府市、和歌山県、長崎県の各候補地が、令和3年度における国の施策と予算について提案と要望を明らかにしました。
目次
IR誘致の候補地が行った「国の施策・予算への提案・要望」とは
日本でIR誘致が認定されるのは国内で3箇所と定められており、そのIR区域整備計画に申請予定の4都市が、令和3年度の施策と予算について言及しました。
「令和3年度 国の施策・予算への提案・要望」を行った候補地は、横浜市、大阪府市、和歌山県、長崎県で、内容は以下の通りです。
横浜市の提案・要望
- 横浜都心と臨海地域における、都市再生の推進への税制・財政・金融を支援すること
- 山下ふ頭では、ハーバーリゾートの形成を目指し、IR実現に向けた検討準備など都市再生の取り組みを本格化すること
- 夢洲におけるIRの立地を実現すること
- 国の基本方針を早期に確定すること
- カジノ管理委員会の規則や関連税制度の早期設計を行うこと
- カジノ誘致において、悪影響を排除するためのギャンブル等依存症の対策
- 治安悪化を防止するため、夢洲における警察力を強化すること
- 統合型リゾート(IR)の立地実現
- 大きな経済波及効果が期待できる大阪・夢洲でのIRの立地実現
- 新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて、IR整備法に基づく基本方針を早期確定すること
- カジノ管理委員会規則や関連税制度などを早期設計すること
- 懸念されるギャンブル等依存症対策の充実と強化を行うこと
- 良好な治安・地域風俗環境の維持に向けた警察力の強化を行うこと
- 特定複合観光施設(IR)の区域認定
- 基本方針やカジノ管理委員会等のIR誘致に必要な法規制などを早期に示すこと
- 「特定複合観光施設区域の整備に関する計画」の認定に向けた手続きをスケジュール通りに進行すること
- 特定複合観光施設(IR)の区域認定
- 日本型IRに期待される高い経済効果を早期に顕在化させるため、事業計画の検討に必要な税制をはじめとする制度の内容を速やかに示すこと
- 3箇所を上限とするIR区域認定を早期に実施すること
- 政府のIR整備の目標である「2030年に訪日外国人観光客を6,000万人、消費額を15兆円とする政府目標達成の後押し」をするため、九州・長崎にIRという新たなゲートウェイを設けること
- IR導入にあたって懸念される社会的リスクの最小化に向けて、特定複合観光施設(IR)区域整備法、ギャンブル等依存症対策基本法、ギャンブル等依存症対策基本計画を踏まえ、ギャンブル依存症等について地方公共団体などと連携して対策を講じること
- IR整備に伴う国内外からの観光客の飛躍的増加を見据え、交通アクセスの強化に向けた道路工事や港湾施設などの整備予算を確保し、その促進を図ること
各候補地が国の基本方針を早期に確定することを政府に要求していますが、政府関係者が国の基本方針の決定時期に関して「白紙としている」とコメントしたことを7月20日、産経新聞が報じました。
政府は、特定複合観光施設区域整備法(=IR整備法)が公布から2年となる今月、7月26日までに基本方針を策定する予定としていました。 しかし、基本方針に新型コロナウイルス感染対策を盛り込む必要性が生じたことなどから作業を慎重に進めているため、公表時期を8月以降(時期未定)に予定を改めました。
また、IR整備法の条文では、基本方針について“公布から2年“という期限が明記されていないため、政府関係者は「基本方針をいつまでにという法律の規定はない。遺漏がないように進める。」とコメントしています。
当初の予定では、2019年11月までに公表されていた基本方針案をもとに、2020年1月に基本方針を策定するとしていましたが、IR汚職事件や新型コロナウイルスの流行が影響し先延ばしされている状態です。
政府がIRに関する基本方針を策定しない限り、他の地方自治体や事業者は作業の遅れを取り続けるため、各候補地は見通しが未だ立たないまま計画を推し進めることとなります。