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大阪IR開業を2030年秋に延期、初期投資額は1,900億円増 | 日本カジノ研究所

大阪府・市は9月5日、カジノを含む統合型リゾート(IR)の開業に向けた実施協定案を公表しました。
開業時期については、当初予定していた時期から1年後ろ倒しとなる「2030年秋ごろ」に延期するとしています。

また、事業者の初期投資額についても、当初予定の約1兆800億円から、1兆2,700億円に変更となりました。

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開業時期先延ばしの経緯

大阪府・市は当初、IR開業時期を「2029年秋~冬ごろ」と想定し、2022年4月に区域整備計画を国に申請していました。
国からの認定時期は2022年秋ごろと見込まれていましたが、最終的に認定が下りたのは2023年4月。約半年間の遅れが生じました。

IR事業に携わるMGMリゾーツ・インターナショナルは今年5月、「開業時期が2030年上半期になるだろう」との見通しを発表。
さらに大阪府・吉村知事も今年7月、2029年中の開業が困難であるとの認識を示していました。

9月5日に公表された実施協定案によると、2025年春~2030年夏ごろにかけて施設工事を行い、2030年秋ごろに開業予定となっています。
開業時期延期の背景として、国からの計画認定時期がずれ込んだことに加え、実施協定案の審査にかかる期間が見通せないことが理由とされています。

工事の進捗具合によっては、開業がさらに1~2年ほど後ろ倒しになる可能性も考えられます。

事業者の初期投資額は1兆2,700億円に変更

今回の実施協定案では開業時期のほか、初期投資額についても変更されています。 当初予定されていた初期投資額は1兆800億円でしたが、建設資材などの価格高騰により、1,900億円増の1兆2,700億円に上振れとなりました。

上振れ分は、運営事業者「大阪IR株式会社」の中核株主である日本MGMリゾーツとオリックスが負担する見通しです。

初期投資額の増額にあたり、懸念されているのはIR運営の収支計画です。 大阪のIR計画では年間約5,200億円の売上のうち、8割をカジノ収入が占める想定となっていますが、カジノ事業が可能な床面積はIR全体の3%以内と決められており、収益力には限界があると考えられています。

投資額を回収するためには、カジノ以外での売り上げ増が必要となるため、今後の詳細な計画づくりが課題となるでしょう。

大阪府・市は今後、今回公表した実施協定案を国に申請し、9月末までにIR事業者との正式な協定を結びたいとしています。

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