新型コロナウイルスの影響を受け、各国でランドカジノの売上げ低迷が続いています。
そんななか、マカオ政府では議員による「オンラインギャンブル」導入の提案がなされました。
現在マカオでは、「マカオ・スロット(Macau Slot Co Ltd)」が提供するサッカー及びバスケットボールへのスポーツくじを除くオンラインギャンブルは禁止されています。
そこでホセ・マリア・ペレイラ・コウチーニョ議員は、「マカオはインタラクティブ・ゲーミングを導入するべき」と指摘、現在のオンラインギャンブルに対する政府の姿勢を改めるよう訴えています。
経済状況の悪化を鑑み「オンラインギャンブル」の導入を要望
同議員は、ゲーミング業界の経済面での現状を踏まえ、今後の政策案ともなり得る質問書をマカオ特別行政政府に送付しました。
質問書では、新型コロナウイルスが与えるゲーミング業界・観光業界への経済的な影響は極めて深刻であることに加え、マカオ特別行政区は“パンデミック以前の良好な経済状態”への回復の見込みが望めないと警告しました。
またマカオのゲーミング業界において、今後の発展のためにインタラクティブ・ゲーミングの導入と併せて、ゲーミング税からの税収を増やすことを提案しています。
同時に、インタラクティブ・ゲーミングの正式な基準・規制を確立する必要性と、ソフトウェア開発に一層注力すべきという主張を重ねました。
そしてマカオでオンラインギャンブルの導入が進行する際には、オンラインゲーミングの政策にイギリスなどのヨーロッパ諸国を例にすることが同書で提案されています。
ヨーロッパ諸国のオンライン賭博政策をモデルとすることについて、イギリスは2005年に賭事法でスポーツベッティングやオンラインギャンブルといった”iゲーミング業界”をロンドン証券取引所の上場へ導いた実績があることが理由とされています。
マカオ・大型連休の来訪者は前年比 85.7%減
ホセ・マリア・ペレイラ・コウチーニョ議員が警笛を鳴らすよう、ゲーミング業界の経済悪化は続いており、10月に大型連休を迎えたマカオでは実際に客足が激減しています。
この大型連休でのマカオへの訪問者数は、前年に比べ急落。
10月3日にマカオ政府観光局は、マカオ来訪者が昨年7日間の計980,000人に対し、今年は139,280人で85.7%減少にあったことを発表しました。
現在マカオでは入境制限が続いているため、来訪者のほとんどが中国本土からと見られています。
治安警察局は、中国からの来訪者は昨年比83.6%落ち込んだと発表しており、ホテルやゲストハウスの平均稼働率は43.6%であったことがわかりました。
来訪者の大幅な減少の原因には、新型コロナウイルスによる活動自粛および、中国がマカオで盛んなギャンブル行為の取り締まりを強化したこと、また個人ビザの申請手続きが複雑であることも理由として考えられています。
コロナウイルスの終息の際には、移動制限やビザ発給手続きなどの難点は解消する可能性も期待されます。
マカオはオンラインギャンブルに対して抵抗を示していましたが、マカオ政府ゲーミング検査・調査局(DICJ)は、依然業界の落ち込みが変わらない場合、議員の提案「オンラインギャンブルの導入」も慎重に検討していく必要があるとしています。
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