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IR認定判断は統一選後に先送りの方針、大阪ではIRの是非が争点 | 日本カジノ研究所

大阪府・市と長崎県が申請中のIR(カジノを含む統合型リゾート施設)整備計画について、認定するかの判断を、2023年4月投開票の統一地方選後に先送りする方針が確定しました。

4月9日に投開票が行われる大阪府知事選・大阪市長選では、IR誘致の是非が一大争点となっており、選挙結果による影響が大きいものとみられます。

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大阪府知事選候補者のIR誘致に対する姿勢

大阪府知事選の候補者は、稲垣ひでや氏、谷口真由美氏、吉村洋文氏、たつみコータロー氏、さとうさやか氏、吉野敏明氏の計6名です。 候補者のうち、IR誘致推進の意志を示しているのは吉村氏のみ。

ほか5名は、「住民投票が必要」「IR誘致は中止すべき」などの姿勢を示しています。

稲垣ひでや氏「ストップ大阪IR」

稲垣氏は、「ストップ大阪IR!大阪にカジノはいらない」と強く主張。
「博打場であるカジノは大阪の治安を悪化させるものであり、子育てをする環境として適さなくなることは、府民の皆様にもご理解いただけると思う」とコメントしています。

谷口真由美氏「すべての情報を公開し、住民投票で決めるべき」

谷口氏はIRに対し、「どれだけ地盤沈下するのか」「市民の負担がどこまで膨らむのか」など、公開されていない情報が多いことへの懸念を示しています。
現在の状況のままIR誘致を進めることは許されないことであり、「大阪府がすべての情報を明らかにし、住民投票で是非を決めるべき」と主張しています。

吉村洋文氏「IR誘致による経済活性化を推進」

今回唯一のIR推進派である吉村氏は、IRは大阪府・市が進める成長戦略の1つと考え、高い経済効果が見込めることを主張。
IRはカジノだけではなく、全体の3%に過ぎないことにも触れたうえで、「カジノは厳格に管理され、ギャンブル依存症対策にも積極的に取り組む」とコメントしました。

たつみコータロー氏「カジノ誘致は中止すべき」

たつみ氏は、「カジノはギャンブル依存症や治安の悪化など、地域や府民の人生を壊すものである」と、IR反対の意志を強く表明しています。 公金がカジノで使われることへの不信感を示したほか、「カジノの収益を福祉や教育にあてることは間違っている」ともコメントしました。

また、吉村氏が掲げるギャンブル依存症対策についての甘さも指摘。最大の依存症対策は、カジノを作らないことであると主張しました。

さとうさやか氏「IR誘致は住民投票で考えるべき」

さとう氏はIRに対し、「住民投票を行うべき」とコメントしました。
「IRは府民の協力があってこそ実現するものであり、住民の皆様がどう考えているかを尊重して一緒に考えたい」と、中立の考えを示しています。

吉野敏明氏「地盤沈下する土地に投資するのは危険」

吉野氏は、IR計画の即時撤回を表明しています。 具体的には、IR予定地の夢洲に地盤沈下リスクがあることを踏まえ、「どうしてもIR・カジノをやりたいなら、夢洲に作るべきではない」とコメント。

さらに自身の精神科病院での勤務歴から、ギャンブル依存症の怖さを訴えたうえで、「最大のギャンブル依存症対策は、カジノ自体を作らないことである」と表明しました。

長崎では資金調達が懸念材料

もう1つの候補地である長崎県では、資金調達面での懸念が広がっています。 長崎IRの資金調達先であるクレディ・スイスは、スイス金融大手のUBSに買収されることが決定しました。

買収報道を受け、大石賢吾長崎県知事は「IR誘致への影響について情報収集が必要」とコメントしているものの、具体的な内容については触れていません。

クレディ・スイスの買収について詳しくはこちら

IRの開業時期については、大阪府・市は2022年秋の認定を想定して2029年秋~冬頃、長崎県は2027年秋頃を目標としていました。
しかし認定時期の後ろ倒しに加え、今回認定可否の判断も先送りが決定したことから、IR実現についてはますます見通しの立たない状況となっています。

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