最終更新日:2021-07-29
和歌山県は7月20日、IR事業優先権者候補としていた「クレアベストニームベンチャーズ及びClairvest Group Inc.のコンソーシアム(以下、クレアベストグループ)」を事業者として正式に選定したと発表しました。
現在IR候補地となっている4都市の中で、和歌山県が全国で初の優先権者決定となります。
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和歌山IRはさらなるステップへ、次は区域認定獲得を目指す
和歌山県がIR事業に対して打ち出しているテーマは「リゾート型IR」。
これを受け、クレアベストは県の観光資源を活かした「自然豊かな滞在・体験型IR」をコンセプトとし、長期滞在やスポーツなどが楽しめる施設を提案していました。
今後は2022年4月28日が期限である国への地域認定申請へ向け、提案内容のブラッシュアップや事業実施体制の強化を行いながら、県と事業者が共同して区域整備計画の作成を進める予定です。
また、県は2026年春の開業を希望していますがクレアベストグループは2027年秋を提案しているため、スケジュールについても双方で協議がされる方針です。
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事業計画には厳しい意見も 今後のブラッシュアップがカギに
7月8日に和歌山県議会は、事業計画についてクレアベストが説明や質疑を行う「全員協議会」を県庁にて開催していました。
クレアベストの日本法人であるクレアベストニームベンチャーズ(株)の梶武司プロジェクトマネージャーは、この全員協議会で和歌山IRについて「初期投資は約4,700億円、開業4年目の試算で雇用創出約1.4万人、目標来訪者数1,300万人(うち外国人約300万人)」と試算された事業計画を説明。
しかし、県議員からは投資資金の確保や集客目標の達成を疑問視する意見のほか、IR誘致に賛成の議員からも「総花的すぎてついていけない」などの批判的な声が上がりました。
この全員協議会について梶氏は、「県の力を借り、皆様の知見を加えて計画をブラッシュアップすれば実現できる。数値目標の裏付けなどは将来的に説明の機会を設けたい」と話しています。
和歌山IRをめぐっては、有力候補とされていたサンシティグループが5月に撤退を表明。
クレアベストは次点だったため、県の求めるレベルでIRを運営できるのか懸念されているという見方もあり、今後どこまで内容をブラッシュアップできるかが地域認定獲得のカギとなりそうです。
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