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大阪IR 実施方針案を修正 2020年代後半に部分開業へ|日本カジノ研究所

大阪府と大阪市は2月12日、IR(統合型リゾート)の実施方針の修正案を公表しました。
2020年12月に国が正式決定したIR基本方針の内容を踏まえ、今回の修正が行われています。

実施方針の大きな変更点としては、「MICE施設・宿泊施設の段階整備を可能としたこと」「実施方針の内容修正に伴い、RFP(事業者公募)参加資格審査の追加受付を行うこと」の2点があります。

特に注目が集まっているのは、部分開業を2020年代後半とし、全面開業の時期が明示されなかったこと。
これまで大阪府・市は2027年~2028年の全面開業を目指していましたが、全面開業時期については実質白紙となり、部分開業時期についても明言を濁す形となりました。

府市は実施方針案の修正及び事業者選定スケジュールの変更に伴い、2021年3月より事業者の追加公募を行う予定です。

IR基本方針決定後の大阪府・市のコメントはこちら

目次

大阪府・市はIRの段階的開業を許可。今後の状況を踏まえ随時見直す姿勢

大阪府・市が公表した修正後のIRスケジュールは以下の通りです。

2021年3月頃 IR実施方針の策定・公表 募集要項等の修正

RFP参加資格審査の追加受付

2021年7月頃 提出書類の提出期限
2021年9月頃 設置運営事業予定者の選定
2021年10月~2022年1月頃 区域整備計画の作成・公聴会等の実施
2022年2月~3月頃 区域整備計画の認定申請にかかる大阪府議会・大阪市会の同意
2022年4月頃 区域整備計画の認定申請
2022年夏頃~ 区域整備計画の認定(国)
実施協定の締結
2023年度以降~ 設置運営事業の開始
土地引き渡し・工事着工
2020年代後半 開業

修正後のスケジュールでは「2020年代後半の開業」と記載されていますが、全面開業ではなく、段階的な開業が許可される形に変更となりました。

具体的にはMICE施設について、修正前は「展示等施設が10万平方メートル以上」と規定されていましたが、修正後は「開業時:2万平方メートル以上、事業期間内;10万平方メートル以上の拡張計画」と変更されています。

また、宿泊施設についても「事業期間内に3,000室以上の計画」と記載されており、MICE施設同様に段階的整備が認められました。

未だ新型コロナウイルス感染症による影響がいつまで続くのか不透明であるため、府市は「今後の状況を踏まえ、必要に応じてスケジュールや施設規模などを見直す」と、柔軟な対応をとる姿勢を見せています。

MGMリゾーツ&オリックス、大阪IRへの参入意欲を改めてコメント

今回の実施方針案修正に伴い、2021年3月にRFP参加資格審査の追加受付が行われることとなりましたが、現状大阪IRのRFP参加を表明しているのはMGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスの共同グループのみとなっています。

MGMリゾーツは2020年8月、新型コロナウイルスの影響により経営状況が厳しい局面にあることから、「オリックスとの協業は継続するものの、RFPは停止中」という体制をとっていました。
しかし2月10日、MGMリゾーツのビル・ホーンバックル最高経営責任者(CEO)は「今年の夏頃にはオリックスと共に計画書を提出しなければならないだろう」と語り、改めて大阪IRへの参入意欲があることを示唆しました。

MGMリゾーツが発表した2020年12月期決算は厳しく、売上高は前年比約6割減の約5,400億円、損益は約155億円の赤字となっています。 ホーンバックル氏は、「コロナ禍で経営は苦しく、回復には時間がかかる。慎重に色々なことを検討したい」と語りながらも、大阪IRへの参入姿勢が変わらないことを強調。

さらにオリックスも12日、「MGMと連携しながら提案内容を検討する」とコメントしています。

RFPの追加公募において、MGMリゾーツ・オリックスの共同グループに続き参入意向を見せる事業者が現れるかどうかで、今後の大阪IRの状況にも変化が見られるでしょう。

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