9月10日、横浜市の山中竹春新市長が所信表明を行い、IR誘致撤回を正式に宣言しました。
これを受け、横浜IR提案審査に応募していたゲンティン・シンガポール(以下、ゲンティン)とセガサミーホールディングス(以下、セガサミー)のコンソーシアム、メルコリゾーツ&エンターテインメント(以下、メルコリゾーツ)の2者は参入に向けた活動を中止すると発表しています。
横浜IRは事業者選定を中止、IR推進室も廃止へ
山中市長は市議会の所信表明演説で、「多くの市民から繰り返し聞こえてくるのは、IR誘致に反対する声。その声にしっかり応える」として、事業者選定を直ちに中止し、10月1日にはIR推進室も廃止することを正式に表明。
IRに賛成していた横浜商工会議所は9月6日に誘致推進に関する要望書を提出していましたが、経済対策について山中市長は「横浜経済の再生につなげていくために、山下ふ頭は再開発に向けた検討を行う」とIRの代替案を思案していく考えを述べました。
提案審査中のセガサミー&ゲンティン、メルコリゾーツは横浜IR撤退を発表
山中市長による横浜IR中止の宣言を受け、セガサミーとゲンティンは9月10日に横浜IR参入からの撤退を表明しました。
セガサミーとゲンティンは協業のうえで、綜合警備保障株式会社(ALSOK)、鹿島建設株式会社、株式会社竹中工務店、株式会社大林組らとコンソーシアムを組成し、横浜IR事業者公募へ応募。
メルコリゾーツとともに資格審査を通過し、今夏には提案審査の結果が発表される予定でした。
セガサミーは「横浜市が公募の中止を決定したことを受け、横浜市におけるIR事業への参画を中止せざるを得ない状況になった」と説明。
ゲンティンも「横浜IR入札中止の決定という予期せぬ出来事に驚き、失望している」とコメントを発表しています。
また、これまで事業者名を非公表としていたメルコリゾーツも同日、「IR反対を掲げて当選した新市長の意向により、横浜IR実現への扉は正式に閉じられた」ことから、参画中止を決定しました。
メルコリゾーツの会長兼CEOであるローレンス・ホー氏は「残念ではあるが、これまでの過程で築いてきた友情に感謝するとともに、多大なご支援をいただいた横浜市民、自治体、ビジネスパートナー、コミュニティパートナーに心から感謝している」と述べ、「ベイシティ横浜」をテーマにした横浜IRのコンセプト動画や、「Thank you, Yokohama」と題した自社の取り組みを紹介した動画を公開しています。
メルコリゾーツの横浜オフィスは閉鎖しますが、東京都内のオフィスは継続。
引き続き、日本でのIR開発の機会を模索するとのことです。