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2020年4月15日(水)、横浜市はコロナウイルスの影響でIR実施方針と募集要項の公表を6月から8月に変更、2か月の延期が決定したことを発表しました。
今回、延期という決断に至ったのは、現在流行中である新型コロナウイルスの感染拡大によって市職員の業務に影響が及び、作業準備が遅れる可能性があるためです。
しかし前日・4月14日(火)には、国会でIR区域整備計画の申請期間(2021年1月4日~7月30日)の変更はないことが発表されたため、横浜市のIR誘致はより一層タイトなスケジュールになることとなります。
固守された政府の方針と横浜市の延期、市長は「ギリギリの判断」
「横浜を訪れたい」「横浜で活躍したい」「横浜に暮らしたい」という未来をめざす横浜市では、3月6日より1か月間「横浜IRの方向性」に対するパブリックコメントを実施し、6月には寄せられた5千件以上のコメントを基にIR実施方針を決定する予定でした。
そして、6月に実施方針と募集要項を公表したのちに事業者公募選定(RFP)を行い、横浜港の山下ふ頭へIR施設を誘致するものとしていました。
今回、募集要項の決定と公表が8月まで延びたため、自動的に事業者公募選定も遅れをとることとなります。
15日の定例会見では、政府が定めたスケジュールのなかで、新型コロナウイルスの感染症対策を優先する延期は「ギリギリの判断」であり、林文子市長は「準備期間は短くなるが、国が申請時期の方針を変えない以上は、その期間で手を挙げられるように工夫していく」と述べました。
コロナ影響でスケジュール延期も8月以降は変更なし
林文子市長は、横浜市民・市会から新型コロナウイルスの感染拡大の懸念や、IR関連の事業を停止・延期するよう求める声が相次いでいることも踏まえ、専念する応援部隊の創設も検討しつつ、誘致の意向は撤回しないことを表明しました。
- 本年度中に事業者の公募・選定、そして選定事業者と区域整備計画を実施
- 2021年前半に市会での議決を経て申請
という8月以降のスケジュールに現時点での変更は加えないとされています。
地方へのIR誘致には市民との意見の合致と協力が必須であり、横浜市でも昨年12月から市民説明会が開かれています。
しかし今現在でも新型コロナウイルスの影響で18区中6区(戸塚区、都筑区、栄区、青葉区、瀬谷区、泉区)での開催が延期されたままとなっています。
横浜市は新型コロナウイルスの流行によって、市民から協力を得るための説明会、事業者を選定するための募集要項公表が延期されましたが、いずれもIR誘致においては外せない項目であるため、確実に段階を踏んで進めていく必要があります。
社会情勢が不安定な現状で政府が「2021年7月末までIR区域整備計画の申請を受け付ける」というスケジュールを変更しない限り、IR誘致を望む各候補地の計画が切迫される状況は続くこととなるでしょう。