大阪府・市がIR開業に向けて整備を進めるギャンブル依存症対策拠点について、5月29日、専門家らによる有識者会議が開かれました。会議では、今後設置予定の「大阪依存症センター(仮称)」の相談機能の強化や、支援方法の多様化が必要であるなどの意見が交わされました。
府・市は今回の会議で出た意見を参考に、2024年夏以降、対策拠点の概要案をまとめるとしています。
IR整備計画における依存症対策の概要
大阪のIR整備計画では、ギャンブル依存症の対策として、以下のような内容を掲げています。
- カジノ施設への入場回数制限
- 本人・家族等の申し出によるカジノ施設の利用制限
- 24時間・365日利用可能な相談体制等の構築
- 大阪依存症センター(仮称)の設置
- 若年層向けの予防啓発活動の強化
- 治療体制・回復支援体制の強化 など
大阪に国内初のカジノが開業することで、住民からはギャンブル依存症の増加を懸念する声が挙がっており、対策については早期の具体化が求められています。
29日に開かれた有識者会議では、上記の対策例のうち「大阪依存症センター(仮称)」の設置に向けた討議が行われました。
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第1回有識者会議の内容
有識者会議の初会合は大阪・都島区で開かれ、ギャンブル依存症患者の治療を担当する医師や、依存症対策支援を行う団体役員など、計10名が参加しました。会議冒頭では、大阪府が昨年実施した「ギャンブルに関する実態調査」の結果を報告。 報告によると、大阪府内の成人のうち1.9%に、ギャンブル依存が疑われるという結果が出たようです。 参加者からは、「現場の感覚からすると、依存症の人が1.9%というのは少ないように感じる」と、調査結果の不確実性が指摘されました。また、大阪依存症センター(仮称)の設置については、「多くの人が利用しやすい拠点にするため、休日や夜間も相談に応じるようにし、対面での支援だけでなくSNSなども活用すべきだ」などの意見が出されています。 今後も有識者会議は定期的に開かれ、依存症に関する知識の普及啓発や、回復支援を含むより詳細なセンター機能について話し合われる予定。
大阪府・市は会議で出た意見を参考に、2024年夏ごろまでに対策拠点の運用方針をまとめる考えです。