北海道・鈴木直道知事は11月29日、道議会での答弁でIR誘致を見送る方針を正式に表明しました。
国が定める基本方針案では、IR誘致を行う都道府県・政令市は、2021年1月4日~7月30日の期間に申請を行う必要がありますが、北海道はこの期間での申請を見送りとする意向です。
鈴木知事は答弁の中で「将来的にはIR誘致に挑戦したい」「来るべき時に挑戦できるように準備を進めていく」としつつも、候補地となる地区からレッドリストに指定された動植物が確認されていることに言及。
「国が定める申請期間までに、環境に関する適切な配慮を行うことが難しい」ことを主な理由とし、今回の判断に至ったとしています。
また、道議会の過半数を占める最大会派内でも賛否の意見がまとまらず、誘致を判断したとしても推し進められる見通しが立たなかったことも、今回の決断に至るまでに大きな影響を与えたと考えられます。
IR推進派であった苫小牧観光協会・山岸事務局長は、「オール苫小牧で準備してきたので、非常に残念」とコメントを残しています。
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今回の表明で、北海道(苫小牧市)は、政府が各自治体に向けて行ったIR誘致に関する意向調査に対して前向きに回答した8つの自治体の中から、初めての撤退となりました。
現在、政府の調査に対し「申請予定」または「検討中」と回答している自治体は下記の通りです。
誘致を正式に表明している自治体
検討中の自治体
北海道・苫小牧市は、IRに向けたイベントなどが開催されIR事業者も事務所を構えるなど、地方都市の有力候補地とみられていただけに、今回の誘致レースからの撤退は波紋を呼びそうです。
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