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全国で3か所とされているIR候補地。 有力な候補とされていた北海道がIRアドバイザー予算2億円の確保を検討したが、決断を先送りとしました。 他の候補地である大阪府や和歌山県、長崎県などはすでに同予算を措置済みとしており誘致レースの順位争いに波紋が広がっています。
実質IR賛成派と思われていた鈴木知事、誘致レース参加の決断を先送りする方針に
5月23日、北海道庁は6月の定例道会議において、補正予算案に約2億円のIRアドバイザー予算を計上しない方針を発表しました。
IRアドバイザー予算は実施方針、事業所選定、区域整備計画の策定・支援を対象とするコンサルタント費用であり、予算を計上するということは事実上のIR誘致の決断が必要となります。
前任の北海道知事、高橋はるみ氏はIRに賛成しており、中立派の鈴木直道知事もその方針を引き継ぐと考えられていました。
一部のメディアでは「中立派という意見は当選のためであり、本質は賛成派」との意見もあり、北海道の予算計上は確実視されていましたが、鈴木知事は予算2億円の確保を検討するも決断を先送りに。
北海道民の世論はカジノに対する反対意見も多数であり、公約の場では名言を控えていたことが理由の一つではないかと推測。 しかし、道庁はIRに賛成する熱意や勢いの維持のため道民説明会、IR誘致の候補地である苫小牧市の調査など関連予算の計上を検討しています。
また、北海道庁では同日、IR担当の経済部長を残し3副知事・7部長が交代しており新しい人事の形態が取られています。
鈴木知事は「道民目線を大切にしつつ早期に判断する」とコメントしていますが道幹部は「誘致の判断まで若干ゆとりができた気がする」と安堵する場面も。すでに誘致に名乗りを上げている都道府県がある事実を受け止め、「早期決断が迫られている状況に変わりはない」として情報収集を進めていく方針とのこと。
誘致レースへの本格的な表明を先送りにした北海道ですが、先日苫小牧市内にオフィスを開設したハードロック・ジャパンでも動きがありました。
ハードロック・インターナショナル会長 苫小牧IRに約5,500億円を投資する意向
5月、ハードロック・インターナショナルのジェームズ・アレン会長は、ニューヨーク時期通信社のインタビューで苫小牧IRに約5,500億円を投資し、他社の引き離す構えを明らかにしました。
2019年4月に北海道庁が決定した「IRに関する基本的な考え方」では、苫小牧市IRの投資規模は2,800~3,800億円と想定されていました。
これに対してアレン会長は実現すれば投資規模は最終的に50億ドル(約5,500億円)を越えると説明し、苫小牧への貢献とカジノ開業への強い意欲を示しました。
北海道の苫小牧はIRの有力地とされており、4社の海外IR企業が構想を練っています。
予算案については見送りとなりましたが、北海道がIR誘致の可能性を秘めているのは変わりありません。7月以降の鈴木知事と道幹部がどんな決断を下すのか今後も目が離せません。