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6月4日、九州地方知事会は定例会合において、長崎県へのIR誘致を後押ししていくことを決議しました。
また4日同日中に九州県議会議長会、翌5日には九州経済団体の主要人物を加えた「九州地域戦略会議」でも同様の内容が決議されました。
九州地方知事会は長崎県への誘致にあたってプロジェクトチームを設置し、「九州・長崎IR」の実現に向けた検討を進め、長崎県の取り組みを後押しする方向。
プロジェクトチームは九州経済連合会など4つの経済団体や官民の主要人物により構成され、具体的な検討内容などは今後協議していくことのことです。
九州経済連合会会長の麻生泰氏は「長崎県と佐世保市がまず手を上げている。経済界としても応援していくべきと判断した」とコメント。
プロジェクトチームの設置においても「九州が一体となって広域連携し、バックアップしていこうとプロジェクトチームの設置を合意した。課題を乗り越えながら熱心に取り組んでいる長崎県を応援したい」と長崎県のIR誘致を推進していく前向きな発言を残しています。
長崎優先を決議するも「次の誘致の挙手を否定はしない」
九州知事会は長崎を優先する方向で決定となりましたが、九州の第二の大都市である北九州市も、20団体による『北九州市IR推進協議会』を設立し、5月半ばに市長に対して北九州市のIR誘致への挙手を要請しています。
北九州市は人口が多く、交通アクセスに優れており、国から提示されているIRの条件のうち「送客機能」を満たすためには北九州市が適しているという意見も。
今回の九州知事会の決定を受け、福岡県の小川洋知事は「今後、北九州市でも具体化していけば、幅広に議論してほしい」と、北九州市への誘致についても言及しました。
麻生氏(九州経済連合会会長)は、北九州市への誘致の動きがあることについて、「まだどの程度の動きか分からない。その都度対応していく」と明確な方針は示していません。
九州地方知事会会長である広瀬勝貞大分県知事も「特別決議は長崎の次に誘致に手を挙げるところを否定するものではない」と話しており、今後の動き次第では北九州市をはじめ、他の自治体の誘致支援を検討する可能性もあります。
北九州市への誘致について北橋健治市長は、3月議会で市議からIR誘致に関する質問を受けた際「ニュートラルな気持ちで勉強していく」と慎重に検討していくという姿勢を見せていましたが、誘致レースへの参戦の期待が高まっている現状では近いうちに明確な回答が求められると考えられます。