シンガポールのマリーナベイ・サンズは、45億SGドル(約3,630億円)規模の拡張工事のスケジュールに大幅な遅れが出ていることを発表しました。
現在、同リゾートでは国内での新型コロナウイルス感染拡大の影響でカジノの営業を停止しており、今後の工事の進行についても「新型コロナウイルスの回復にかかっている部分が多い」としています。
マリーナベイ・サンズの拡張工事ではカジノフロアも拡大予定
マリーナベイ・サンズが行うこの大規模プロジェクトでは、1,000室のスイートルームを備え屋上にスカイルーフのプールと有名レストランを構えたホテルタワーのほか、会議室、ファンクションルーム、展示ホールからなるMICE施設や、少なくとも15,000人を収容できるエンターテイメントアリーナなどを開発する予定です。
同リゾートは2019年4月にこの計画を公表。
5億SGドル(約1,210億円)をシンガポール政府に一括で支払い、引き換えにゲーミングマシン1,000台の追加設置やホテルタワー1の55階部分全体をカジノフロアへ改装、さらに必要に応じて2,000平方メートルのカジノゲーミングエリアの取得などが認められていました。
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新型コロナウイルスの影響で工事に遅れ、カジノの営業も停止中
マリーナベイ・サンズを運営するラスベガス・サンズの社長兼COOパトリック・デュモン氏は7月22日の決算説明会で、このプロジェクトについて敷地内の一部の工事が新型コロナウイルスの影響で進んでおらず、長期的な遅延が発生していることを明らかにしました。
「実際の工事完了のタイミングについては、かなり不確実」とも述べており、「実際問題として、このような複雑で大規模な建設プロジェクトは通常の環境では常に困難を伴うもの。したがって、達成可能なスケジュールを述べる前に慎重になり、労働力やスケジュールに関する様々な限度を理解するようにしている」とスケジュールの見直しを示唆する発言もしています。
しかし、2027年4月に設定されている開発期限や、オープン時期の変更については明言されていません。
マリーナベイ・サンズは、6月14日に新型コロナウイルス感染防止措置を緩和しカジノの収容人数上限を引き上げましたが、シンガポール国内での感染再拡大を受け、7月22日の午前6時よりカジノを閉鎖。
大規模な消毒作業を行うことを発表しました。
現時点ではカジノの閉鎖は8月5日までの予定ですが、同リゾートは「今後、通知があるまで営業を停止する」としています。
マリーナベイ・サンズのこのプロジェクトが無事に完了すれば、新型コロナウイルス収束後のシンガポールに大きな経済効果が期待されることから、今後の開発計画やスケジュールに注目が集まりそうです。
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