米国ゲーミング協会(AGA:American Gaming Association)が、カジノフロアでの“デジタル決済”を導入にむけ、規制上の変更に関する要望の提案書を6月16日に発表しました。
この新たなデジタル決済手段は、非接触型の支払いシステムとして18カ月前より調査検討作業が行われてきましたが、新型コロナウイルスの流行によって重要性が高まるようになりました。
カジノ利用客の54%がデジタル決済利用を希望
過去1年間のカジノ訪問客に対する調査で、57%が「新型コロナウイルスのパンデミック後は“非接触型の決済手段”が重要になっている」と回答しました。
そして59%は「日常生活におけるキャッシュレス導入」の傾向があり、54%が「カジノフロアにおいて現金でなくデジタル非接触型ペイメントシステムを利用する」という意向を示していることが明らかになりました。
調査結果を受けAGAは現在、各規制当局やカード団体、レスポンシブルゲーミング関連団体、金融機関、その他ペイメントシステム関係者と協業して決済システムの開発を行っています。
また、今回AGAは政策立案者と規制当局者に以下7つの提案を発表しました。
- 客が責任ある賭けを行うためのツールをさらに提供すること
- 客に決済の選択肢と利便性を与えること
- 州の関連法は、当局に柔軟なアプローチを可能にし、進化するデジタル決済の形態についていけるよう保証すること
- 公衆衛生上の安全に配慮すること
- 客に安全性と信頼性を与える決済システムであること
- 規制環境は規制当局、カジノ事業者、サプライヤーに統一されていること
- 法執行機関は、デジタル技術を活用し、不正行為者を特定する権限を持つこと
カジノにおけるデジタル決済導入のメリットとは
米国のカジノではクレジットカードの利用も可能ですが、手数料がかなり高く現金での支払い手段を選ぶ人が多数だったため、デジタル決済システムの導入後は利用者の増加も期待できます。
カジノにおけるデジタル非接触型ペイメントシステムは、接触によるウイルス感染を防ぐだけでなく、公平性と安全性を提供する「レスポンシブルゲーミング」、悪質な手段で得た資金を転々とさせ正当な資金として不正利用する「マネーロンダリング」等の対策としても有効とされています。
またカジノでこのシステムを導入した際には、統合型リゾート全体および日常生活で共通した決済ツールを選択できるようになるため、利便性の提供にもつながります。
今回発表されたデジタル非接触型ペイメントシステムの概要は現在、アメリカにおける商業・部族系カジノを対象にしていますが、この動きが今後全世界のカジノでの変更に影響する可能性もあり、注目が高まっています。
世界のカジノ最新ニュース一覧はこちら