最終更新日:2023-08-04
この記事はこんな人におすすめ
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オンラインカジノで儲けたお金に税金がかかるのかどうか
気になる
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いくら稼いだら税金がかかるのか
、計算方法が知りたい
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確定申告時に必要な手続きや書類
が知りたい
オンラインカジノで得た賞金は「一時所得」という所得に分類され、年間50万円以上稼ぐと課税対象となります。
ただし、年末調整を行う会社員の場合はオンラインカジノによる年間利益が90万円を超えていない場合は、確定申告は不要です。
このページでは、会社員の方を例にした詳しい税金の算出方法や、確定申告のやり方、必要な書類などについて解説していきます。
担当ライター:皆月
(ライター/オンカジ歴2年)
この記事を読むと分かること
- オンラインカジノの
課税金額の計算方法
- 会社員の場合、
年間利益が90万円以下だと確定申告はいらない
- 確定申告には
源泉徴収票・支払調書・経費の領収書
が必要
オンラインカジノなどのギャンブルで稼いだお金は法律的に「一時所得」とみなされ、課税対象となります。
まずは「一時所得」とは、どのようなお金を指すのかについて解説します。
一時所得とは?
一時所得は「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得」と定義されています。
簡単に言うと、会社員が労働の対価でもらう給料や事業者が生み出す利益などではなく、突発的に手にすることになったお金のことです。
いわゆる「臨時収入」にあたるものと考えるとわかりやすいでしょう。
一時所得に分類されるもの
国税庁の資料によると、一時所得に分類されるのは以下の6種類と定められています。
- 懸賞や福引きの賞金品(業務に関して受けるものを除く)
- 競馬や競輪の払戻金
- 生命保険の一時金(業務に関して受けるものを除く)や損害保険の満期返戻金等
- 法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものは除く)
- 遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等
- 資産の移転等の費用に充てるため受けた交付金のうち、交付の目的とされた支出に充てられなかったもの
オンラインカジノで稼いだお金は、上記の「懸賞や福引きの賞金品」「競馬や競輪の払戻金」に分類されるため、税金を支払う必要があります。
オンラインカジノで勝利金を得て税金を支払わなかった場合、税務署にバレて脱税の疑いとして指摘や調査が入る可能性があります。
しかし、競馬やパチンコなどのギャンブルで勝っても税金を払ったという話を聞いたことがない方もいるでしょう。
実際のところ公営ギャンブルやパチンコで勝った際も納税が必要ですが、見逃されている場合が大半です。
オンラインカジノで税金を払わないとバレる理由は、勝利金の受け取り方の違いにあります。
公営ギャンブルは賞金を受け取った記録が残りにくい
競馬やパチンコなどのギャンブルで利益を得た場合も、本来であれば税金を支払う必要があります。
しかし、競馬やパチンコは勝利金を現金で直接受け取るため、銀行などの記録に残りません。
そのため税務署は「誰がいくら受け取ったか」を把握することができず、取り締まりが難しいため「大目に見られている(見逃されている)」というのが現状です。
宝くじに関しては、あらかじめ税金が天引きされているため、当選金に税金はかかりません。
オンラインカジノは銀行口座に賞金を受け取った記録が残る
オンラインカジノの勝利金を手元に引き出すには、銀行口座を利用します。
銀行側に入出金の記録が残り税務署はお金の流れを把握できるため、税金を払っていないと容易にバレることになります。
脱税行為とみなされ追徴課税が課せられるほか、悪質な所得隠しだと判断された場合は刑事罰の対象となるので、課税対象額以上を稼いだ場合はしっかりと納税しましょう。
【関連】オンラインカジノの勝利金を出金しない場合の税金はどうなる?
オンラインカジノで稼いだときにどれくらいの税金が発生するのか、課税金額や所得税の計算方法を解説します。
オンラインカジノの税金(一時所得)の基本的な計算方法は以下となります。
【一時所得】=【収入金額】-【支出金額】-【特別控除額 (最高50万円)】
これらの一時所得のうち、課税対象額は2分の1となります。
例えば、一時所得が200万円の場合は、半分の100万円を課税対象額として計算します。
会社員は年間利益が90万円以下の場合は確定申告不要
会社員の場合、一時所得について以下のようなルールが定められています。
- 一時所得は最大50万円までの特別控除がある
- 給与等以外の一時所得の課税金額が20万円以下(※)の場合は申告不要
※一時所得の課税金額は「一時所得÷2」で計算するため、「課税金額20万円×2=一時所得40万円」となる
このルールを踏まえると、オンラインカジノの年間利益が90万円以下の場合は確定申告が不要となります。
90万円を超えている場合は、確定申告が必要ですので計算しましょう。
無職の場合は年間利益が146万円までなら確定申告不要
無職の場合(オンラインカジノ以外の収入がない場合)、確定申告が必要な一時所得の金額は以下のルールに基づいて算出します。
- 一時所得は最大50万円までの特別控除がある
- 一時所得金額が48万円以下(※)の場合は申告不要
※一時所得の課税金額は「一時所得÷2」で計算するため、「課税金額48万円×2=一時所得96万円」となる
この金額に特別控除50万円と合わせると、オンラインカジノで税金がかかる利益額は年間146万円以上となります。
例として、年収400万円のサラリーマンAさんをモデルに実際の計算方法を見てみましょう。
Aさんのプロフィール
- 性別 男
- 年齢 35歳
- 結婚 独身
- 職業 会社員
- 年収 400万円
- オンラインカジノプレイ歴:3ケ月
- プレイ頻度 月1回程度
日付 | ベット額 | 収支 |
---|---|---|
4月20日 | 50万円 | 100万円 |
5月10日 | 30万円 | 90万円 |
5月28日 | 70万円 | -70万円 |
6月20日 | 20万円 | 60万円 |
合計 | 170万円 | 180万円 |
まずは、課税金額を計算する時の手順を覚えておきましょう。
- 一時所得の金額を計算する
- 一時所得の課税対象となる額を計算する
- 他の所得と合算し所得税を計算する
上記の流れに沿って、Aさんの年間所得と税金額を計算してみます。
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まず初めに以下の項目を整理しておきましょう
- 収入金額:オンラインカジノで稼いだ金額
- 支出金額:利益が出た時のベット額
- 特別控除額:収入から最大50万円まで差し引くことが可能
※ 注意!損失額は支出金額に含まれない ※
上記の項目を整理する際に注意したいのは「損失額は支出金額に含まれない」という点です。
オンラインカジノの税金は「利益が出た(勝った)時のみ」発生します。
そのため、税金の計算の際に使用する収入金額に、損失額を含めることができません。上記で記載したAさんの収支表をこのルールに当てはめた場合、下記の表になります。
日付 支出金額
(ベット額)収支金額
(勝利金)4月20日 50万円 100万円 5月10日 30万円 90万円 5月28日 70万円 -70万円 6月20日 20万円 60万円 合計 170万円
→100万円180万円
→250万円それぞれの項目を計算式に当てはめよう
これらの項目を下記の計算式に当てはめます。
【一時所得】=【①収入金額】-【②支出金額】-【③特別控除額 (最高50万円)】
収入金額は利益が出た時の勝利金を全て合算します。
【①収入金額】100万円 + 90万円 + 60万円 = 250万円
※損失分-70万円は計算に入らないので、手元には180万円しか残っていないのに収入金額は250万円となる。支出金額は利益が出た時のベット額になります。
【②支出金額】50万円 + 30万円 + 20万円 = 100万円
※損失が出たときのベット額は計算しない。上記の収入金額と支出金額をもとに一時所得の額を計算します。
一時所得は、【③特別控除額】として最大50万円まで差し引くことができますので、忘れないようにしましょう。【一時所得】①250万円 - ②100万円 - ③50万円(特別控除)= 100万円
となり、一時所得額は「100万円」となります。
オンラインカジノの収支は1年のトータルではないところに注意!
一時所得を計算するときは、1年間のトータルの収支で考えないように注意しましょう。
年間の税額をまとめて計算すると、負けたときの支出まで【支出金額】に計上するミスが起こりやすくなります。
その結果、正しい税額を算出することができず、修正や支払いの手間がかかる可能性があります。収支はできるだけこまめに記録をしておくようにしましょう。
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一時所得額の計算ができたら、そこから課税対象となる額を計算します。
【課税対象額】100万円 ÷ 2 = 50万円
となり、課税対象となる額は「50万円」となります。
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オンラインカジノにかかる税金は総合課税になるため、上記で計算された課税対象額とお給料などの所得を合算する必要があります。
- 【所得額】= 給与等の所得 + 一時所得の課税対象額
- 【所得税】=( 所得額 - 控除額 )×【税率】
Aさんの場合の所得税を計算してみましょう。
Aさんは会社員で給与所得が年間で「400万円」あります。
先ほど計算した一時所得の課税対象額である「50万円」を合算しましょう。【所得額】400万円 + 50万円 = 450万円
所得額が出たら、下記の表から「控除額」と「税率」を確認し、所得税を計算してみましょう。
税率表
課税所得金額 税率 控除額 195万円以下 5% 0円 195万円超330万円以下 10% 97,500円 ★ 330万円超695万円以下 20% 427,500円 695万円超900万円以下 23% 636,000円 900万円超1,800万円以下 33% 1,536,000円 1,800万円超4,000万円以下 40% 2,796,000円 4,000万円超 45% 4,796,000円 Aさんの所得額の場合は、表の3行目にある「330万円超695万円以下」に該当します。
この「税率」と「控除率」を当てはめて、下記の計算式で所得税を算出してみましょう。【所得税】(450万円 - 427,500円)× 20% = 814,500円
おおまかではありますが、Aさんの所得税額の計算ができました。
この計算方法はあくまでも一例であり、状況によって変わることがあります。
自分で計算するのが不安な場合は、税理士などに相談してみましょう。
「自分の税金がどれくらいかかるか手早く知りたい」という方は、所得税の自動計算ツールを利用するのも良いでしょう。
一時所得にかかる所得計算ツール
会社員の方であれば勤務先が住民税の天引きや年末調整などを行うため、自分で税金の手続きをしたことがないという方も多いと思います。
しかし、オンラインカジノの利益はプレイヤー個人の収入となるため、自分で確定申告を行い納税する必要があります。
税金は1月1日から12月31日までの1年間に稼いだお金が対象となり、確定申告は翌年の2月16日から3月15日のあいだに行います。
たとえば2022年の6月にオンラインカジノを始めた場合、課税対象となる時期と確定申告の時期は以下のようになります。
- 課税対象:2022年6月~2022年12月31日までに得た収入
- 確定申告期間:2023年2月16日~3月15日
※2023年に入ってからの収入は2024年の申告対象となるため含みません。
確定申告期間は後半になるほど混み合うため、面倒でもできるだけ早めに申告をするようにしましょう。
確定申告を行うときに必要な書類は以下のとおりです。
- 源泉徴収票(企業勤めの場合、年末年始頃に企業から受け取る)
- 支払調書(年末年始頃に、オンラインカジノ側から受け取る)
- 経費の領収書(所得が300万円以下の場合は不要)
「支払調書」は、オンラインカジノに問い合わせて発行してもらえるかを確認しましょう。
発行してもらえない場合、国税庁のホームページからフォーマットをダウンロードして自分で作成することも可能です。
書類を用意したら、居住地を管轄している税務署に行って確定申告を行います。
初めての方は難しく感じることもありますので、わからないことは税務署で職員の方に聞きながら進めるのが良いでしょう。
確定申告をすると「オンラインカジノでお金を稼いだことが職場にバレるのでは?」と不安に思う方もいるのではないでしょうか。
その場合、確定申告書の2面「給与所得者がその他の所得にかかる住民税の徴収方法」という欄にある『自分で納付(普通徴収)』にチェックを入れて申告を行いましょう。
ほとんどの会社員の方は給料から天引きで住民税を支払っていますが、給与額に大きな変動がないのに住民税額だけが上がっている場合、会社から「ほかに収入があるのでは」と疑われる原因になります。
しかし、申告書のこの欄にチェックを入れて提出することで、オンラインカジノの利益から発生した住民税の納付書が勤務先ではなく自宅に届くようになります。
ただし、コンビニや金融機関などに出向いて自分で住民税を支払うことになるので、納付書が届いたら忘れないように納税しましょう。
オンラインカジノで得た勝利金は「一時所得」に分類され、一定金額以上の利益が出ると課税対象になりますので、対象となる人は必ず納税しましょう。
オンラインカジノによる年間利益で課税対象となる金額は就業状況によって以下のように異なります。
- 【会社員の場合】年間利益90万円以上
- 【会社員でない場合】年間利益50万円以上
- 【無職の場合】年間利益146万円以上
税金は毎年1/1~12/31までに得た収入が対象となり、確定申告は翌年2/16~3/15の間に行います。
オンラインカジノによる収支はその都度記録し、確定申告の必要があるかをチェックできるようにしておくことが大切です。