ウィン・リゾーツは、8月4日に行われた2020年度第2四半期業績報告にて、横浜に設けられたオフィスを閉鎖したことを発表しました。
理由として、新型コロナウイルスが世界中のIR開発に悪影響を及ぼしており、IR事業者全般が事態収束後の事業展開を検討していることをあげています。
ウィン・リゾーツの横浜オフィスが閉鎖に至るまで
ウィン・リゾーツは当初、大阪へのIR参入を目指したのち、横浜でのIR開発に関心を移し検討を進めていたうちの1社でした。
2019年12月19日に横浜へのオフィス設立が発表されましたが、約8カ月で閉所という結果に終わりました。
新型コロナウイルスの影響を受けるIR事業者たちは、必然的に運営体制を見直す機会が生じてきます。
ウィン・リゾーツは現在の主要市場であるラスベガスとマカオに注力するため、日本での活動停止を決定し、今回横浜オフィスの閉鎖に至りました。
また3月の時点で世界的なパンデミックが起こったことにより、ビジネス面や世界情勢においても規制が続く状況下で、短期的なこれからのビジョンさえ明瞭にできなかったことも決定打となりました。
ウィン・リゾーツのマット・マドックスCEOは、日本での過去10年間の活動について「実際に積極的に動くというより見守るモニタリングというかたちだった。」と述べており、日本市場に関心がないわけではないが、現時点で同社の短期的なフォーカスに日本は入っていない旨を説明しました。
今回の閉鎖の件について、「日本市場およびそこでのIR開発には引き続き関心を持っている」と、日本から撤退したという意味ではないと主張しています。
MGMリゾーツ・新CEO「オリックスとの協業は継続も大阪のRFPを停止中」
大阪では現在、MGMリゾーツとオリックスが協業して入札を目指す予定とされており、出資比率は40~45%と想定されています。
MGMのビル・ホーンバックル新社長兼CEOは、2020年第2四半期決算報告にて、大阪でのチャンスもオリックスのパートナーにも好感触を抱いていると主張しました。
また、日本でのIR開発が遅れる恐れがあったとしても、この投資がより良いものになり得る話し合いを再開できるため、完全に「オールイン」でない点を気に入っていると述べました。
一方で、新型コロナウイルスによる旅行・運営制限などにより厳しい局面があるとの見解も示し、大阪IRにおける事業者公募選定(RFP)は現在停止中という体制を取っています。
同社が賢明だと判断し、また期待を満たすリターンが返ってくる場合、大阪IRにおける投資に積極的に取り組むと発表しました。
日本は国の方針として、IRの導入に対して積極的な姿勢をとっていますが、パンデミックの影響を大きく受ける各国では、日本から撤退するIR事業が増えています。
コロナ禍と相まってマイナスポイントが浮き出やすい状況下で、政府はIR事業における計画や戦略を早めに明示することが求められます。