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【大阪IR動向まとめ】反対運動が続く一方で人材育成や依存症対策も進行中|日本カジノ研究所

大阪府・市が国へ申請を行なっているIR区域認定審査は、今秋にも結果が出るとみられています。

建設予定地の土壌対策や住民理解が不十分であることなど、まだまだ大きな課題が残る大阪IRですが、その一方で府議会ではギャンブル依存症対策案の検討が行われるなど、着実に準備が進む面もみられます。

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住民訴訟・国への要請など、市民らの反対運動続く

IR建設予定地となる夢洲は以前から土壌汚染や液状化のリスクが指摘されており、大阪市は2021年12月に公費から約800億円を支出して対策することを発表しました。

しかし、5人の市民らはこれを「過大な支出を制限する地方財政法などに違反する」と問題視し、2022年5月に監査請求を行っていました。

結果は監査委員の意見が折り合わない「合議不調」であったことから、現在、市民らは事業者との契約差し止めを求めて住民訴訟を起こしています。

ほかにも、IR誘致の是非について住民投票の実施を求めた市民団体は各地で集めた署名を府へ提出しましたが、住民投票条例案は2022年7月の府議会で否決。

この採決を受けた市民団体は大阪IRを認定しないよう国交省へ嘆願書を提出し、東京でも誘致の中止を訴えるなど活動の場を広げています。

さらに、元市議や元副知事らからなる別の市民団体や立憲民主党大阪市議団らも、大阪にIRを誘致しないよう国へ要請するなど、大阪府下では根強い反対運動が続いています。

人材育成や依存症対策など、誘致への準備が進んでいる面も

一方で、事業者や大阪府による前向きな動きもみられています。

大阪IRの運営事業者であるMGMリゾーツ・インターナショナルは、大学生向けにインバウンド観光の仕組みを学ぶ研修プログラムを開始。

2020年にはIRの本場ラスベガスで現地研修も開いていましたが、コロナ禍以降はオンライン研修に切り替えるなど、国際的な観光施設の前例や教育基盤がない日本でIR運営を担える人材の養成に取り組んでいます。

また、大阪維新の会は2022年10月、IR誘致でもっとも懸念されているギャンブル依存症対策についての条例案を府議会に提出しました。

5月に自民党が条例案を提出した際は、財源の裏付けがないことなどから否決されましたが、今回維新の会は財源対策として新たな基金の設置なども計画しています。

この条例案は年内中の可決が見込まれており、誘致に向けた対策も着々と進められているといえるでしょう。

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